社内向け発信はすべて外部に漏れる前提で動け、米コミュニケーション会議で識者が語った組織変革の要点

Internal Comms: 'Everyone's Watching' - Lessons from 13 Leaders at Microsoft HQ

ソースに基づく報道記事 10件の情報源
社内向け発信はすべて外部に漏れる前提で動け、米コミュニケーション会議で識者が語った組織変革の要点
画像: AI生成(イメージ)

ポイント

  • 社内発信は外部に漏れる前提で設計すべき時代になった
  • 「Ragan's 2026 Internal Communications Conference」でこの認識が共有された
  • AIの影響、経営層との連携、ビジネス指標の設計が主要議題だ

社内コミュニケーションの担当者が従業員向けに発信した内容は、そのまま外部に広まることを前提に設計しなければならない時代に入った。ワシントン州レドモンドのマイクロソフト本社で開かれた「Ragan's 2026 Internal Communications Conference」の主要な学びをまとめた記事を、Ragan.comが2026年10月16日に公開した。

会議ではAIが社内広報に与える影響、経営層との関係構築、ビジネス成果に結びつく指標の設計といったテーマについて、複数の企業のコミュニケーションリーダーが登壇した。

「社内情報に内輪の話はない」

プレカンファレンスのワークショップでは、SweetgreenのマットPrince氏が、内部と外部のコミュニケーションの境界線が事実上消えつつあると語った。「社内コミュニケーションというものは、もはや存在しない。社内で行うことはすべて外部に出ると想定しなければならない。実際、多くの場合そうなっている」と述べた。

同じセッションに登壇したニューヨーク・タイムズで従業員向けのストーリーテリングとコンテンツ戦略のディレクターを務めるデイビッド・ガードナー氏も同様の認識を示した。「社内のストーリーは対外的な評判を左右する。同僚は最大の応援者にも最大の批判者にもなり得る」と語った。

ガードナー氏のチームはニューヨーク・タイムズ社内のイントラネットを再構築し、2つの別々のイントラネットと5万件のコンテンツを1つに統合した。週に一度以上そのイントラネットを使う社員は全体の半数を超えており、この実績をもとに本来は担当外だった同社の対外コーポレートサイトの運営も任されるようになったという。「C-suiteの外でリーダーシップを発揮することを恐れている人が多い。あなたたちは極めて有能な専門家なのだから、先頭に立って引っ張るべきだ。同僚はそれに感謝する」と呼びかけた。

AIへの向き合い方、「判断力だけは渡すな」

SAPのヒラリー・オムダル氏は、AIとの向き合い方について次のように語った。「独自の視点をAIに外注するのはやめてほしい。ツールを使い、学び、受け入れる。ただし、判断力だけは外注するな。あなたの判断力は、あなただけのものだ」。

マイクロソフトのケイティ・ジョージ氏も、変化を社員に一方的に通達することへの警鐘を鳴らした。「働き方を変えるとき、当事者である従業員を巻き込まなければ、うまくいかない」と述べた。

指標設計とメッセージ設計の基本を問い直す

SASのベッキー・グラーブ氏は、広報担当者が陥りがちな指標の選び方の誤りを指摘した。「なぜこれが重要なのかを問い続け、ビジネス指標にたどり着くまで層を剥がし続けてほしい。ある指標がなぜ差を生むのかを説明できないなら、それは適切な指標ではない。意味のある指標は、求めているビジネス成果に直接つながるものだ」と語った。

ゲーツ財団のアリソン・ヒューストン氏は、依頼を受けたときの習慣として「従業員に何を知ってほしいか、何をしてほしいか、何を感じてほしいか」の3点を必ず確認するよう勧めた。依頼者は往々にして「何を伝えたいか」だけを考えており、「従業員がどう受け取るか」の視点が抜けているためだという。

会議ではこのほか、JP MorganのダイアナSweis氏が「届きにくい相手が、関与しにくいわけではない」と述べた。Sandbox LessonsのスコットPansky氏は、企業の中核的な価値観は上位職から下ろすのではなく、若手社員から積み上げるべきだと語った。実際に自身の代理店で若手50人が作り上げた価値観の定義が15年間維持され、その間に会社は規模を4倍に拡大したという。

FermlabのレイMoss氏は「変革」という言葉そのものに疑問を呈した。「以前やっていたことが間違いだったと言うニュアンスがある。私は『継続的改善』と呼びたい。かつての方法は当時のベストだった。ただ今は、新しい技術と能力と課題がある」と述べた。

次回の関連イベントとして、「Ragan's Future of Communications Conference」が2026年11月11日から13日にかけてオースティンで開催される予定だ。

情報ソース一覧

社内広報AI活用コミュニケーション戦略情報公開

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。