取材中に広報担当者が自殺とAIの質問を遮った場面が記事になった経緯と広報実務への示唆

OpenAI PR's Intervention on AI & Mental Health Question Goes Viral

ソースに基づく報道記事 10件の情報源
取材中に広報担当者が自殺とAIの質問を遮った場面が記事になった経緯と広報実務への示唆
画像: 情報ソースより

ポイント

  • OpenAI広報がCEOへの自殺とAI質問を遮った
  • 残り2分という理由での介入が、かえって注目された
  • 広報担当者は話題の中心になるべきではないとされた

OpenAIのCEOサム・アルトマン氏へのインタビュー取材中、自殺とAIの関係を問う質問が出た直後にOpenAIの広報担当者が割り込んで話題転換を求め、その介入行為自体がニュースになった。米国の広報業界専門メディアPR Dailyが2026年10月7日、この経緯を報じた。

問題の場面が起きたのは、米国の高級カルチャー誌Vanity Fairが掲載した2部構成のインタビューの中だ。同誌が特集「New Establishment」シリーズの一環で実施したもので、著名写真家アニー・リーボヴィッツが撮影を担当した。インタビュアーはVanity Fairのマーク・グイドゥッチ氏で、記事は2026年10月5日に公開された。

介入が起きた瞬間の一部始終

インタビューは、アルトマン氏の子どもから映画「Artificial」、株価まで幅広い話題を扱ったが、AIがメンタルヘルスや自殺に与える影響にも踏み込んだ。グイドゥッチ氏がアルトマン氏に「ローラ・ライリーという人物をご存知ですか」と尋ねたところ、アルトマン氏は知らないと答えた。グイドゥッチ氏がローラ・ライリー氏をChatGPTとの会話後に亡くなった娘についてエッセイを書いたジャーナリストだと説明した直後、OpenAIの広報担当者の声が割り込んだ。

記事によれば、広報担当者の発言は次の通りだった。「マーク? 残り2分です。失礼とは思いますが話題を変えて、未来の話や今後の展開に少し移れませんか。その話は少しできたと思うので」。グイドゥッチ氏は「今の質問だけ終わらせます。少し延長できます」と返したが、広報担当者は「本当にあと1〜2分で退席しなければならないのです」と重ねた。結局アルトマン氏自身が「この質問に答えます」と発言し、その後多くは一問一答形式で質問に応じた。

「時間超過」という説明とその受け止め

この場面を受け、多くの読者や関係者が「時間の問題ではなく、不都合なテーマを避けるための介入だったのではないか」と疑問を持った。OpenAIのスポークスパーソン、ドリュー・プサテリ氏はThe Vergeに声明を寄せ、「インタビューが予定時間を超過していた。アルトマンがこの極めて重要なトピックに答えた後、引き続き会話を続けるために追加の時間を設けることを提案した」と説明した。

PR Dailyは「広報担当者は絶対に話題の中心になってはいけない。残念ながら、今回はそうなってしまった」と評した。広報担当者が介入を試みた時点で、その話題がAI分野で最も敏感な問題のひとつであることは分かっていたはずだとPR Dailyは指摘する。一問一答の速射形式の部分で話を切り上げようとしていれば、ここまで注目を集めることはなかった可能性もある。結果として、この質問を知ることになった人の数は介入がなかった場合よりもはるかに多くなったと同媒体は記している。

また、難しい質問をあえて流れに乗せることが、急いで切り上げようとするより良い結果になることもあること、クライアントと事前に退席のタイミングを示すシグナルを決めておくことで、広報担当者が注目を集める事態を避けられるという実務的な指摘もPR Dailyはまとめている。

Vanity FairとOpenAIの商業的関係

記事が掲載されたVanity Fairの親会社コンデナストは、OpenAIとの間に商業契約を結んでいる。この契約により、OpenAIは検索機能においてコンデナストのコンテンツを表示できる仕組みになっており、記事内にもその旨が明記されている。

なお、インタビューはサンフランシスコで2回に分けて実施された。1回目は9月11日、2回目は10月2日で、アルトマン氏はVanity Fairの「New Establishment 2026」リストの第1位に選ばれている。

情報ソース一覧

広報AI倫理メディア対応危機管理

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。