AIを「下書き係」で終わらせない広報チームが最初に自動化すべき1つの定型業務

PR's Missed Opportunity: The True Power of AI Beyond Content Writing

ソースに基づく報道記事 7件の情報源

ポイント

  • PR DailyがNowThisホア氏のAI活用を報じた(2026年7月17日)
  • 同氏はAIを下書き利用では機会損失と指摘
  • 役割転換を提唱した

米国のPR・広報業界専門メディア「PR Daily」は、グローバル動画ブランドNowThisでオーディエンス&アナリティクス部門の責任者を務めるシルイ・ホア(Sirui Hua)氏へのインタビュー記事を2026年7月17日公開の記事で報じた。

AIを「ライター」として使うだけでは機会損失

ホア氏はインタビューの中で、AIをコンテンツの下書き作成に使うだけでは「ほぼすべての機会を逃している」と断言しているという。同氏によると、AIツールの最新世代が実行できることのうち、下書き作成は最も小さな機能にすぎないという。

下書き作成だけにAIを使い続けている限り、広報担当者は「オペレーター(作業者)」のままだとホア氏は指摘している。リサーチをし、ファイルを移動し、レポートを整形し、送信ボタンを押す、その一連の作業を人間が担い続けることになるからだという。ホア氏が提唱するのは「オペレーターからマネージャーまたは編集者へ」という役割転換だ。目標と基準を人間が設定し、その間のステップをAIが実行し、「何をやる価値があるか」「この結果は出せるレベルか」という判断だけを人間が担う、という分業モデルを同氏は推奨している。

ホア氏はこの状況を「最新のスマートフォンを買って、電話だけしか使わないようなものだ」と表現したという。かつてボトルネックは「白紙のページ(書き始めること)」だったが、今のボトルネックは「下書きを取り巻くワークフロー」と「AIが次回以降に再利用できる文脈情報」だと同氏は言う。

実際に動いている「AIエージェント」の中身

ホア氏はNowThisの自チームで実際に運用している「ペイドソーシャル・エージェント」と呼ぶツールの概要を明かしている。これはMetaとTikTokでの有料広告キャンペーンを動かすためのツールで、複数の専門エージェントが連携するマルチエージェントシステムだとしている。

具体的には、1つのエージェントがブースト設定を担当し、別のエージェントが成果データをクライアントレポートに転記し、もう1つのエージェントがペーシング(配信ペースの監視)と最適化を担当するという構造だという。これらのエージェントは実行や提案をする前に、Slackのスレッド・契約書PDF・メール・データウェアハウスを読み込んで現状を把握するという。ペーシングエージェントは、クライアントへの約束に対して配信状況がどうなっているかを確認し、予算の再配分、不振広告の停止、新規広告の立ち上げなどを提案する。ただし、「人間がレビューして承認するまで、何も実行されない」とホア氏は強調しているという。

広報担当者が今すぐ自動化できる2つの業務

ホア氏は、広報・コミュニケーション担当者が今なお手作業でやっている業務としてまず「進捗レポートの作成」を挙げた。複数のプラットフォームから数字を集め、クライアントが返信したかを確認し、それをまとめてリキャップにする作業は「判断が必要な仕事ではほぼない」とし、エージェントがすでに十分対応できると述べているという。

もう1つはオーディエンスのコメント分析だという。2万件のコメントを読める人間はいないため、ほとんどのチームは数件をサンプリングして「感触」で判断しているが、AIならすべてを読んで「何が響いているか、誰に響いているか」を分析できると同氏は指摘している。

どこから始めるかについては、ホア氏は明確な指針を示しているという。「チームの誰かが本当に嫌いな繰り返し作業を1つ見つけて、それをエンドツーエンドで自動化する。プロセスの最初と最後には必ず人間を置く。AIが自分の名前で出したものには自分が責任を持つからだ」という原則だとしている。また「完成した1つのワークフローは、AI戦略デッキを何十枚見るよりも多くを教えてくれる」とも語ったとしている。

ホア氏のキャリアは、中国のPR代理店でWeiboやWeChatを通じてグローバルブランドのソーシャルメディア展開を支援する業務から始まったという。その後NowThisにアソシエイト・プロデューサーとして参加してから10年が経つと同氏は語っており、番組制作でストーリー構成を学んだ経験が、後にアナリティクスへ移行した際に「グラフの数字の中にある物語の起伏」を読める力につながったとしている。

ホア氏は、AIとクリエイティビティの関係についても言及しており、Anthropicの共同創業者ジャック・クラーク氏らが出演したポッドキャスト「Odd Lots」(2026年6月19日公開)での発言「AIをソフトウェアのように買うのではなく、何千人ものチーフ・オブ・スタッフを雇うように考えるべきだ」に影響を受けたという。この比喩が「導入のあり方」についての考え方を変えたとしており、「チーフ・オブ・スタッフは、与えられたアクセスと文脈の質によってのみ優秀になれる」と解釈しているという。また、ジョージタウン大学の神経科学者アダム・グリーン氏がデレク・トンプソン氏のポッドキャスト「Plain English」に出演した際に紹介された研究——AIが学生のライティングを表面上より創造的に見せる一方で、アイデアを実質的に均質化させた——について、「AIはフロアを引き上げるが、上限を決めるのはあなたのセンスだ」という言葉で共感を示したとしている。

情報ソース一覧

AI活用広報戦略自動化ワークフロー改善

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