AI時代の「作るか買うか」論争が示す、技術選択が広報戦になる時代

AI Era's Build vs. Buy Debate in Travel: Which Will Your Company Choose?

ソースに基づく報道記事 10件の情報源

ポイント

  • 高級旅行業界でAIによる技術選択の議論が深まっている
  • AI開発コスト低下が「作るか買うか」の論争を加速させた
  • 2024年カンヌでの対談が発端と、2026年7月14日記事が報じる

高級旅行業界専門メディア「Luxury Travel Advisor」は、旅行代理店における技術選択の議論がAIの台頭によって新たな局面を迎えていると2026年7月14日公開の記事で報じた。「自社でシステムを構築するか、外部の専門ツールを購入・導入するか」という問いが、AI開発コストの劇的な低下を背景に、業界内で以前にも増して熱い論争を呼んでいるという。

発端は2024年のカンヌでの取材

記事によると、この議論の出発点は2024年にフランス・カンヌで開催された「ILTM Cannes」にさかのぼる。同イベントで取材を受けた2人の経営者が、まったく異なる立場を表明した。

一人はNubaのマネージング・ディレクター、マリオ・デル・ドゥカ氏だ。同氏は当時「様子見」の立場をとっており、既存の専門ツールを購入する価値があるかどうかを見極め中だったという。一方、360 Private TravelのファウンダーかつCEOであるジェームズ・ターナー氏は、「自社で内製開発することが唯一の正解だ」という確固たる信念を持っていたと記事は伝えている。

AIがコスト構造を一変させた

記事は2026年4月に公開されたマッキンゼーのレポートを引用し、AIはソフトウェア開発のコストを大幅に引き下げただけでなく、開発スピードそのものを劇的に速めたと報じた。旅行テクノロジー企業TernおよびSafari Portalのリーダーたちは「今や製品を考えるよりも速く、製品を作れるようになった」と語っているという。

「テック企業として旅行をやっている」という宣言

記事で特に注目されているのが、Little Emperors & Co.の事例だ。同社ファウンダーのレベッカ・マスリ氏はメールでのコメントとして、「データの所有権は重要だが、議論はそこで止まるべきではない」と語ったという。「アドバイザーが本当に必要なのは、正しいデータを、正しいタイミングで、意思決定につながる形で示してくれるプラットフォームだ」とも述べた。同社は「MyLER」と呼ばれる独自のアドバイザー向けプラットフォームに多額の投資を行っており、マスリ氏は自社を「旅行事業を営むテック企業であり、その逆ではない」と表現している。

同氏はAIによって開発は速くなったと認めつつも、「製品思考、エンジニアリングリソース、継続的なメンテナンス、戦略的な優先順位付けがなければ成立しない。これはフルタイムの仕事だ」と述べ、内製には相応のコストと体制が必要だとも強調したという。

LinedIn上に飛び火した公開論争

Fora Travelの共同創業者でCPTOのジェイク・ピーターズ氏は、インセンティブ構造の違いが重要な差別化要因だと主張する。同氏はFora TravelをAIを活用したエージェント型アシスタント「Via」をプラットフォームに組み込む「アドバイザーの成功に直接投資するテック企業」と位置づけている。

ピーターズ氏はLinkedIn上での広く議論された投稿の中で、旅行テクノロジー企業Ternについて「TernはSaaS利用料で収益を上げるソフトウェア会社であり、取引の流れの外にいることが多い。旅行業で成功するには、トランザクションの中に入らなければならない」と主張した。これに対してTernのCEO兼共同創業者デイビッド・シュル氏は同じスレッド上で、同社が「全てのアクティビティ・ツアー・送迎について、追加マークアップをゼロにすると発表した」ことを明らかにするとともに、多くのFora TravelのアドバイザーがすでにTernのサービスを利用していると述べた。

記事によると、Ternは2026年6月10日に独自のエージェント型機能を発表しており、ソーシャルメディア上の応酬とは別に、両社が技術面でより激しい競争を繰り広げている実態が浮かび上がっているという。

情報ソース一覧

旅行業界AI技術Build vs Buyテクノロジー戦略

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