メディアへの売り込み「7割が返信なし」の衝撃、AI時代に広報が再構築すべき記者との関係

PR's Paradox: More AI, Less Journalist Engagement, Global Survey Reveals

ソースに基づく報道記事 7件の情報源

ポイント

  • Muck Rackは「State of PR 2026」レポートを公表した
  • PR専門家80%が生成AIを活用し、メディア関係構築が重要視される
  • 71%が記者からの返信率の低さを報道獲得の最大の障壁と回答

PRツールやジャーナリストデータを提供するプラットフォームのMuck Rackは、世界PR・コミュニケーション業界デー(#WPRD2026)に合わせて「State of PR 2026」レポートを公表した。南アフリカのビジネス専門メディアBizcommunityは、2026年7月14日公開の記事でその調査結果を報じた。

同レポートは2026年5月から6月にかけて、主に米国のPR会社および企業の広報部門に勤める971名のPR専門家を対象に実施された調査に基づくという。AIの普及が進む一方で、メディアリレーションにおける人的な課題が深刻化しているという、業界の矛盾した実態が浮き彫りになった。

AIは「当たり前の道具」になった

調査結果によると、PR専門家の80%(5人に4人)がすでに生成AIを日常業務のワークフローで活用しているという。また61%が、AIと自動化は今後5年間でさらに重要性を増すと考えており、これが業界における最優先の戦略課題として挙げられたとしている。

一方でAIが従来のPRスキルを代替しているわけではなく、むしろ補完する形で活用されている実態も示された。記者との関係構築(メディアリレーション)は「将来に向けた優先課題」として2番目に成長の早い項目として挙げられ、回答者の48%が選択したという。これは前年の35%から大幅に上昇した数字で、AI活用が広がるほど、ジャーナリストとの人的な関係の重要性もまた再認識されていることを示している。戦略的プランニング(32%)、レピュテーション管理(30%)がそれに続いたとされる。

記者への売り込みは「7割が返信なし」の時代

Bizcommunityの記事が最も強調したのは、「報道獲得の難化」という課題だ。71%以上のPR専門家が、記者からの返信率の低さを報道獲得における最大の障壁と回答したという。続いて61%がメディアリストの縮小(ニュースルームの人員削減による)を課題として挙げた。報道競争の激化(43%)、ニュース性のある話題の不足(36%)、ニュースサイクルの加速(36%)も上位に並んだとされる。

「報道獲得が以前より難しくなっていない」と回答したのは全体のわずか2%にとどまったという。

こうした状況にもかかわらず、PR専門家の約半数(49%)は依然として1キャンペーンあたり20人以上の記者に売り込みをかけていることも明らかになった。また66%が「記者への売り込みメールをほぼ毎回、または常にパーソナライズしている」と回答した一方で、その「パーソナライズ」の実態は、文章全体を書き直すのではなく、数文を差し替える程度にとどまることが多いと認めているという。

GEOという新概念、担当者が不在の組織が3割

レポートが新たに取り上げたテーマが「GEO(Generative Engine Optimisation=生成AI検索エンジン最適化)」だ。ChatGPTやPerplexityなどの生成AI検索エンジンで自社や顧客の情報が引用・参照されやすくするための戦略的手法を指す概念で、従来のSEO(検索エンジン最適化)の生成AI版とも言える。

回答者の73%近くが「GEOは自社のコミュニケーション戦略において少なくともある程度重要だ」と回答したという。しかし組織内での対応は追いついておらず、約3分の1(29%)が「自社にGEOを担当する人員がいない」と答え、さらに13%が「担当者がいるかどうか分からない」と回答したとされる。

Muck Rackは別途、2026年1月30日から3月2日にかけてジャーナリスト1044名を対象に実施し、データ品質チェック後に897名の回答を最終分析に含めた「State of Journalism 2026」レポートも2026年3月19日に公表している。同レポートによると、ジャーナリストの82%が少なくとも1つのAIツールを業務に活用していると回答しており、前年の77%から上昇したという。同レポートはMuck Rack自身がプレスリリース配信サービスのGlobeNewswireを通じて発表した。

同ジャーナリスト調査では、86%のジャーナリストが「PR担当者からの売り込みが取材のきっかけになることがある」と回答する一方、88%が「担当分野と無関係な売り込みはすぐに削除する」と答えたという。関連性こそがメディアリレーションにおける最大の課題であることが、ジャーナリスト側の視点からも裏付けられた形だ。

情報ソース一覧

広報AIメディアリレーションMuck Rack

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