組織変革の伝道役は管理職より「現場の信頼される同僚」が効く、26カ国研究が示す社内広報の盲点

Researchers: Driving change is about shared meaning, not just information

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組織変革の伝道役は管理職より「現場の信頼される同僚」が効く、26カ国研究が示す社内広報の盲点
画像: AI生成(イメージ)

ポイント

  • 組織変革では、情報量より変化の意味の共有が従業員を動かす鍵だ
  • フロリダ大のリンジュアン・メン教授は、共に意味を構築するプロセスが重要だと説く
  • 彼女は120本以上の学術論文を通じて、この変革コミュニケーション論を展開

組織変革の場面で従業員を動かす鍵は、情報をたくさん発信することではなく、変化の意味を従業員とともに構築していくプロセスにある。そう語るのは、フロリダ大学ジャーナリズム・コミュニケーション学部で広報学の教授を務め、同大学インターナルコミュニケーション研究ハブを創設・統括するリンジュアン・リタ・メン氏だ。広報・コミュニケーション業界向け専門メディアのRagan.comが2026年9月30日、同氏へのインタビュー記事を公開した。

メン氏は120本以上の学術論文や書籍の章を発表し、6冊の著書の執筆または編集に携わってきた。これらの論文等はこれまでに1万6,000回以上引用されており、2022年にはジャーナリズム・マスコミュニケーション教育協会(AEJMC)から「ヒリアー・クリーグバウム40歳未満賞」を受賞した。

研究ハブが26カ国に広がるまで

記事によれば、メン氏がインターナルコミュニケーション研究ハブを立ち上げたのは、学術研究と実務の間に長年埋まらない溝があったためだ。世界各地に研究者や実務家の知見は蓄積されていたが、学者・学生・コミュニケーション責任者をつなぐ仕組みが十分ではなかった。

現在、同ハブはアフリカ、アジア太平洋、ヨーロッパ、ラテンアメリカの4地域に活動の拠点を持ち、26カ国から集まる約50人の有識者とつながっている。さらにその周囲には、数百人規模の内部コミュニケーション専門家や研究者からなる国際コミュニティが形成されているという。

「伝えるだけの人」では機能しない

変革を組織内で推進するために重要な役割を担う存在として、メン氏は「チェンジ・チャンピオン」という概念を説明している。これは変化を理解し、解釈し、周囲の支持を引き出すことができる人物のことだ。

記事によれば、役職者が担うことも多いが、最も影響力を持つチェンジ・チャンピオンは必ずしも管理職ではない。現場で信頼を集める同僚、非公式な影響力を持つ人物なども重要な候補になる。また、変革をいち早く受け入れて実践し始めた「アーリーアダプター」も、自分の経験を自然な形で周囲に伝えられるため、効果的なチャンピオンになりうるとメン氏は述べている。

ここで重要なのは、支持者を見つけること自体よりも、その人たちが役割を果たせるよう支援することだ。タイムリーな情報、役割の明確な説明、質問できる機会、そして従業員の声を組織に届ける経路が必要になる。「最も効果的なチェンジ・チャンピオンは単なる伝達者ではなく、聴き役であり、意味の解釈者であり、人々を理解から行動へと動かす存在だ」とメン氏は語っている。

変革コミュニケーションの核心

インタビューの中でメン氏が最も強調した点は、変革のコミュニケーションとは「もっと多くを伝えること」ではないというシンプルな原則だ。「変革コミュニケーションとは、人々が変化の意味を自分なりに理解できるよう支援し、会話に招き入れることだ。上位のリーダー、直属の上司、そしてコミュニケーション部門が協力して従業員の心理的な必要に応えたとき、従業員は情報を得ていると感じ、支えられていると感じ、声を聞かれていると感じる。そのとき、変革を受け入れる可能性がはるかに高まる」と語っている。

自身の変革への向き合い方についても、メン氏は率直に語っている。記事によれば、まず情報を積極的に集めることから始めるという。「なぜこの変化が起きているのか」「何が変わり、何が変わらないのか」「自分の日常にどう影響するのか」を自問し、大きな変化を小さな塊に分解することで不確実性を和らげる。そのうえで新しい現実を思い描き、計画や習慣を調整していく。さらに感情面では、家族や友人と話し合い、日記を書くことで自分の感情を処理しているという。「それは、組織が変革期に従業員に対してすべきことと多くの点で重なる。情報を提供し、意味を構築する場をつくり、感情的なサポートを行い、前に進む道筋を示すことだ」と述べている。

メン氏はRaganが提供する「Change Communications Certificate Course(変革コミュニケーション認定講座)」の講師を務める予定であり、同講座では明確なメッセージの構築からリーダーや組織内チームとの信頼醸成に至るまで、変革期に広報・コミュニケーション担当者が必要とするスキルを扱う。

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