電通グループが海外法人を最大160社削減、コスト圧縮分はAI投資へ振り向ける方針

Dentsu to Slash 160 Overseas Entities by 2028, Citing Bloat as Weakness

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電通グループが海外法人を最大160社削減、コスト圧縮分はAI投資へ振り向ける方針
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ポイント

  • 電通グループは2028年度までに海外法人を最大160社削減する計画だ
  • これは中期経営計画の一環で、国際事業の人員も約3,000人削減済
  • 削減で生み出した資金は、AI・データ領域への投資に振り向ける方針だ

広告・マーケティング業界専門メディアのexchange4mediaは、電通グループが2028年度(FY2028)までに海外の法人・子会社を最大160社削減する計画を明らかにしたと、2026年8月14日公開の記事で報じた。

電通グループは2026年度中に70〜80社の海外法人を削減し、さらに2028年度までに追加で50〜80社を削減することを検討しているという。これは単年の施策ではなく、FY2026〜FY2028を対象とする中期経営計画(Mid-Term Management Plan)の一環として位置づけられている。

削減の規模と進捗状況

海外法人の整理は今回が初めてではない。exchange4mediaによると、電通グループは2021年1月時点で1,000社超あった海外法人を、2026年1月時点ですでに約半数にまで圧縮したという。今回の最大160社削減が完了すれば、5年あまりで海外法人数はピーク比で大幅に減少することになる。

一方でCampaign Asiaの報道によれば、3,400人の人員削減計画のうちすでに88%が完了しているという。

コスト面では、2028年度までにグローバル本社コストをFY2026計画比で約30%削減することを目標に掲げているという。さらに、このコスト削減で生み出した資金の一部を、AI(人工知能)およびデータ・テクノロジー領域への投資に振り向ける方針だとしている。組織のスリム化を、単なるコスト削減ではなく戦略的な投資シフトと位置づけている点が注目される。

不採算市場の徹底見直し

exchange4mediaは、今回の構造改革が単なる法人数の削減にとどまらないと報じている。電通グループは不採算事業の見直しを進め、収益性の低い市場に対しては、これまでに投じた資本の多寡にかかわらず、撤退や構造改革に踏み切る方針だとしている。

具体的な目標として、2025年2月時点で累積投資額が100億円(JPY 10 billion)を超えている市場を「重要投資市場」と定義したうえで、2027年度(FY2027)までにこれらすべての市場で赤字を解消することを目指しているという。2028年度(FY2028)には、日本・南北米(Americas)・欧州中東アフリカ(EMEA)・アジア太平洋(APAC)の4地域すべてが株主価値の向上に貢献する体制を構築することを目指すとしている。

中国とオーストラリアについては、2025年度(FY2025)の段階で基礎営業利益ベースで黒字化を達成したと報じられている。一方で、マクロ経済の不確実性を背景に、一部の市場では2026年度も赤字が続く見込みだともしている。

「強みを持つ領域」に経営資源を集中

exchange4mediaによると、電通グループは従来の組織構造が「市場・ケイパビリティ(能力)にまたがる複雑な事業運営と分散した投資」を特徴としており、オーガニック成長(自力成長)が市場全体の成長を下回っていたことを認めているという。

新たな戦略では、「十分な規模・持続的な成長可能性・明確な競争優位性」を持つ市場に経営資源を集中させる方針だとしている。電通グループはこれを、自社が「勝つ権利(right to win)」を持つ領域への集中と表現しているという。具体的な注力領域の例として、米国・英国におけるBtoB(企業間取引)とテクノロジー分野、日本における成長加速などが挙げられているとしている。

4地域それぞれの位置づけも明確に区別されており、日本を「中核(コア)」、南北米を「成長エンジン」、EMEAを「立て直しの対象」、APACを「次の成長基盤」と定義しているという。一律のグローバル戦略から、地域ごとに異なるアプローチを取るポートフォリオ型の経営への転換を鮮明にした格好だ。

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