「異質な他者を信頼しない」が70%の時代に、広報はどこへ声を届けるべきか

Edelman Trust Barometer: Designing Corporate Trust in an Era of Global Insularity

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「異質な他者を信頼しない」が70%の時代に、広報はどこへ声を届けるべきか
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ポイント

  • エデルマン・トラスト・バロメーター2026年版が公開
  • 世界で70%が異なる価値観の相手を信頼できないと判明
  • 日本の信頼指数は38で、調査対象28カ国中最低水準だ

グローバルなコミュニケーション・アドバイザリー企業のエデルマンが運営する調査機関「エデルマン・トラスト・インスティテュート」は、2026年版「エデルマン・トラスト・バロメーター」のグローバルレポートを2026年1月に公開した。

調査は第26回目を迎える年次オンライン調査で、フィールドワークは2025年10月25日から11月16日にかけて実施された。対象は28カ国、合計33,938人。各国1,200〜1,501人が回答しており、全体の誤差範囲は99%信頼水準で±0.7ポイントとなっている。対象国にはアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、日本、英国、米国など28カ国が含まれる。

「内向き化」が世界を覆う

2026年版の主要テーマは「Trust Amid Insularity(内向き化の中の信頼)」だ。価値観、信念、問題解決のアプローチ、または文化的背景が異なる相手を信頼することに消極的、あるいは拒否的だと答えた回答者が全体の70%に上った。レポートはこの現象を「インスラリティ(insularity)」、すなわち内向き化・閉鎖性と表現し、経済的不安、地政学的緊張、技術的混乱が重なる中で、人々が自分と似た価値観を持つ小さな身近な輪へと縮小していると指摘している。

エデルマンのCEOであるリチャード・エデルマン氏は、これを「不満の危機(crisis of grievance)」から「内向き化の危機(crisis of insularity)」への移行と表現した。すべての主要機関——政府、メディア、ビジネス、NGO——が分断を橋渡しし、信頼を仲介する役割を担う使命を持つとしながら、その中でも雇用主(employer)が最も高いパフォーマンス・スコアを持ち、信頼のブローカーとして最も有利な位置にあるとレポートは述べている。

日本の信頼指数は28カ国中最低水準

信頼指数(ビジネス、政府、メディア、NGOへの信頼の平均値)の国別データでは、日本が特に深刻な状況にある。2026年版では日本の信頼指数が38と、調査対象28カ国の中で最低水準を記録した。グローバル28カ国平均は2025年の56から2026年の57へわずかに上昇している。

対照的に、信頼指数が高いのは中国(80)、UAE(80)、インド(74)など新興・発展途上国が上位を占めており、レポートは「信頼は発展途上国では高まり、先進国では停滞している」と分析している。先進国平均は49(前年比+1ポイント)、発展途上国平均は66(前年比+3ポイント)と、格差が広がりつつある。

「どの国の企業か」が購買判断を左右する時代へ

レポートは、地政学的な内向き化が企業への信頼にも直接影響していると報告している。調査によれば、自国に本社を置く企業への信頼度は、外国企業への信頼度を大きく上回る。カナダでは自国企業への信頼度が75%であるのに対し、外国企業平均は44%。ドイツでは自国63%に対し外国34%、日本では自国58%に対し外国29%と、29ポイントもの格差が生じている。

また、多数の回答者が「自国民が価値観の違う相手を積極的に陥れようとするほど不信任が深まっていることは問題だ」と認識しており、内向き化自体を課題として自覚する「グローバルなコンセンサス」も存在するとレポートは指摘している。

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