炎上時に「即座の声明」が逆効果になる理由を110年企業の広報トップが語った

Stanley 1913 PR Leader on Navigating Viral & Deepfake Challenges with Trust

ソースに基づく報道記事 10件の情報源
炎上時に「即座の声明」が逆効果になる理由を110年企業の広報トップが語った
画像: 情報ソースより

ポイント

  • Stanley 1913広報責任者がSNSバイラル対応を語る
  • 110年の歴史を背景に、信頼を軸とする戦略を提唱
  • ディープフェイク含む脅威には識別力で対応する

1913年の創業以来110年以上の歴史を持ち、近年は真空断熱タンブラーのSNSバイラルで急成長した飲料容器ブランド「Stanley 1913(スタンレー1913)」で広報戦略を統括するエリカ・サマダニ氏が、バイラル炎上対応とディープフェイク脅威への備えについて語った。米国のPR・コミュニケーション業界向け専門メディアPR Dailyが2026年10月8日、同氏へのインタビュー記事を公開した。

サマダニ氏はStanley 1913のグローバルコミュニケーション&PR担当バイスプレジデントとして、社内外の広報戦略チームを統括している。約20年にわたるブランドマーケティングと企業広報のキャリアを持ち、以前はMullenLowe、TBWA、Ogilvyといった広告・PR会社でリーダーシップポジションを歴任した。Apple、Gatorade、Target、Grammys(グラミー賞)といった大手ブランドを担当し、広告業界の国際的な賞であるCannes Lions(カンヌライオンズ)とClio Awards(クリオ賞)を受賞。PRWeekが選出する「40 Under 40」にも選ばれている。

広報キャリアの原点はコーヒーの列

記事によれば、サマダニ氏がコミュニケーションの世界に入ったきっかけは偶然の出会いだった。大学入学当初は英語専攻だったが、数カ月後に「もっと現実と連動した動きのある仕事がしたい」と感じ始めた。コーヒーを買いに行った際に立ち話をした大学教授から「説得的なライティングを軸にしたPRの選択科目を試してみては」と勧められ、受講したところその内容に引き込まれた。数週間後には専攻を変更し、後に同じ教授のティーチングアシスタントとしてパブリックスピーキングの授業を手伝う立場になった。「あの瞬間がキャリアの軌跡を完全に変えた」と振り返っている。

Appleとの仕事から得た教訓についても語っている。「Appleには、複雑なものをシンプルで直感的に、人間的に感じさせる並外れた能力がある。それは言葉で言うほど簡単ではない。不要なものをすべて削ぎ落とし、本当に重要なことに集中するための規律は、どんな業務にも常に意識するようにしている」と述べている。製品発表でも経営幹部のメッセージ作りでも、「最もシンプルで明確な伝え方は何か」を問い続けるという。

バイラル対応は「誰が何を担うか」の事前設計で決まる

Stanley 1913はオンラインでの存在感が際立って大きいブランドだ。サマダニ氏は、何かが急拡散し始めたときの対応について「強い部門横断的な関係性を持つことが出発点」と語っている。広報、SNS、カスタマーエクスペリエンス、法務、製品、ブランドの各チームが同じ対応方針を共有し、互いを信頼していなければならない。「バイラルな瞬間は大きな強度を生む。役割と責任が明確で、すでに強固な人間関係が築かれているチームこそが最善の防御になる」と述べた。役割分担が事前に決まっていれば、プレッシャー下でも素早く動き、より良い判断ができるという考えだ。

ディープフェイクを含むデジタル上の脅威については、「対応前に必要なのは、健全な識別力」とサマダニ氏は語っている。最初に確認すべきは「誰が発信しているのか、その人物のリーチはどの程度か、通常のエンゲージメントはどのくらいか、自社にとって重要なオーディエンスが実際にその情報源を見ているか、信頼できる発信元として見られているか」という点だ。「組織が素早く反応しすぎたり、放っておけば消えたかもしれないものに注目を集めてしまったりすることで、より大きな問題を自ら作り出すケースがあまりにも多い」と指摘した。目標は「すべてに反応すること」ではなく、「何が重要かを理解し、事実を確認してから、自信を持って意図的に対応すること」だと述べている。

「一番に答えること」より「信頼される人」であれ

記事によれば、サマダニ氏がキャリアで手痛く学んだ教訓は、速さへの執着だった。PR会社でのキャリアが長かったため、すべての会議をテレビのクイズ番組「ジェパディ!(Jeopardy!)」のように捉え、誰よりも早くボタンを押そうとしていた、と振り返っている。「今は、それが間違った目標だと分かる。『まだ分からない』と言って良い。事実を集め、データを見て、適切な人に話を聞いてから、確信を持って提案する。信頼は、部屋で最初に答える人間が築くのではない。最も重要な場面で人が頼りにする人間が築くものだ」と語っている。

Stanley 1913のタンブラーコレクションを何本所有しているか聞かれると、「数え切れないほど持っている。子どもが2人いるので、もう自分だけのコレクションではなく家族のコレクションになっている」と答えた。現在の愛用品は、朝のプロテイン補給に使う「Vitalize Shaker Bottle(バイタライズ シェイカーボトル)」と、デスクでも車中でもジムでも使える「Flowstate Bottle(フローステート ボトル)」の2本だと明かしている。コレクションが収納棚を圧迫し始めたら「Take Back(テイクバック)プログラム」を活用することを勧めている、と付け加えた。

サマダニ氏はRaganが2026年10月13日から15日にかけてMicrosoftの本社で開催する「Internal Communications Conference(社内広報担当者向けカンファレンス)」のパネルにも登壇する予定で、ゲイツ財団、Newell Brands、CVS Healthなどの広報リーダーと共にディープフェイクやデジタル上の脅威への備えをテーマに議論する。

情報ソース一覧

広報バイラルディープフェイク危機管理

記事内容に関するお問い合わせ・フィードバックはこちらからお寄せください。