社内メルマガ、誰も読んでいない問題を「32グループ分類」で解決した巨大航空会社の逆転発想

United Airlines: The 'Less Is More' Internal Comms Strategy for 100k Employees

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社内メルマガ、誰も読んでいない問題を「32グループ分類」で解決した巨大航空会社の逆転発想
画像: AI生成(イメージ)

ポイント

  • ユナイテッド航空は11万人の従業員向けに社内広報の送信量を意図的に減らす戦略を実践
  • 従業員を32グループに分類し、動的コンテンツで個別化配信に移行した
  • 評価軸は「理解・行動・意識変容」へと転換され効果を測る

コーポレートコミュニケーション・社内広報専門メディアのRaganは、ユナイテッド航空が従業員向け社内コミュニケーションの「送信量を意図的に減らす」戦略を実践していると2026年7月28日公開の記事で報じた。

同航空は世界規模で11万人以上の従業員を抱え、パイロット、エンジニア、ゲートエージェント、客室乗務員など、複数のタイムゾーンにまたがる数十種類の職種が存在するという。かつて実施した社内調査では、従業員から「情報が多すぎる」という声が主な反応として寄せられていたと、同社でチーフ・ストーリーテラー兼従業員コミュニケーション担当マネージング・ディレクターを務めるダナ・ブルックス・ライングラス氏は述べている。

11万人を32グループに分けて届ける

この課題に対して同社が採用した解決策が、全従業員を32の異なるオーディエンスグループに分類するアプローチだという。各グループにはそれぞれ個別化されたコミュニケーション方針が設けられており、「フィット・フォー・パーパス(目的適合型)対一律配信」という考え方のもと、必要な情報を必要な従業員にだけ届ける仕組みに移行した。

「各ワークグループはそれぞれ独自の存在であり、個別化されたコミュニケーションアプローチを持っています。通常、すべてのグループに響く画一的なコミュニケーションというものは存在しません」とライングラス氏は語っている。

社内調査やフォーカスグループを通じて、各グループが好むコミュニケーション手段も把握しているという。たとえばカスタマーサポート部門の従業員には、SnapCommsと呼ばれるツールを活用しており、メールの山を掘り返す代わりに、デスクトップにポップアップメッセージを表示する方式を採用している。休暇明けや長時間のシフト後でも、すでに重要度が下がったメッセージを一つひとつ確認する必要がなくなったとライングラス氏は説明する。また一部の従業員は、マネージャーからの対面説明を好み、別のグループは休憩室のディスプレイに流れるスライドを通じた情報共有を評価していることも調査で判明したという。

「動的コンテンツ」で同じ1通を複数仕様に

送信数の削減と並行して導入されたのが、動的コンテンツの活用だという。同じ1通のメッセージや社内ニュースレターでも、受け取る従業員の属性に応じて異なるバージョンが表示される仕組みだ。

たとえば国際線フライトでは、すべての客室乗務員に新しい顧客サービス施策のリマインダーが届くが、チーフパーサー(パーサーと呼ばれるリード客室乗務員)だけには同じメール内に追加セクションが表示されるという。さらにこの手法は乗務員にとどまらず、空港拠点の管理職からのメッセージにも展開されている。現在は、拠点ごとに別々のメッセージを送るのではなく、勤務地に応じて当該拠点リーダーのメッセージが自動的に表示される単一のニュースレター枠組みへの移行を進めているという。ヒューストンを拠点とする従業員にはヒューストン拠点リーダーのメッセージのみが届く、という形だ。

「届いたか」から「理解・行動・意識変容」へ

こうした施策の効果を継続的に測定するため、同社はパルスサーベイ、フィードバックループ、従業員ヒアリングツールなど複数の手法を組み合わせているという。毎月配信されるリーダーシップメッセージには、「参考になった(サムズアップ)」「参考にならなかった(サムズダウン)」をワンタップで選べる評価機能が設けられており、従業員がコンテンツとどのように関わっているかを継続的に把握している。

ライングラス氏は、コミュニケーション評価の基準そのものが変わったと語る。「過去数年間で、評価軸は本当に変わりました。『従業員はメッセージを受け取ったか?』から、『そのコミュニケーションは理解を生んだか、行動を促したか、意識を変えたか?』へ。それが私たちのゴールです」と述べている。

同記事を執筆したのはライターのポール・ヒーバート氏で、Raganはコーポレートコミュニケーション・社内広報の専門メディアとして広報担当者向けのニュース、トレーニング、アワードを提供している。

情報ソース一覧

社内広報コミュニケーション戦略個別化ユナイテッド航空

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